「用の美」 民藝とは何か Part 2

うつわの豆知識

今回も「日常に宿る美」、民藝について書きたいと思います。

大正期に始まった民藝運動は日本だけではなく陶芸家、バーナード・リーチによって、

イギリスとの交流や技術的な影響を受けることになります。

バーナード・リーチ

イギリス人陶芸家、バーナード・リーチ (1887-1979) は柳宗悦の民藝運動に賛同し、

国内外に民藝運動を広める橋渡し役を担いました。

濱田庄司、富本憲吉を柳に紹介したのもリーチです。

柳とともに国内の窯元を巡り、イギリスの伝統的技法、スリップウェア製作方法を伝授しています。

1920年にはイギリスの南西部、セント・アイブスに拠点を移し、リーチ・ポッタリーを設立。

その後も、日本の民藝運動家たちとの交流は続き、民藝思想の普及に貢献しました。

スリップウェア

スリップと呼ばれる泥上の化粧土で模様を描く陶器です。

生乾きの素地に化粧土をかけ、さらにその上から道具を使ってスリップで模様を描いたり、

指などで線を描いたりします。

繊細な模様もあれば、荒々しいダイナミックな模様などもあり、作家によって個性豊かです。

スリップウェアの歴史は古く紀元前から作られていたことがわかっています。

18世紀にイギリスで発展しましたが、産業革命により衰退。

その後民藝運動により再度注目されるようになり、

イギリスを始め、日本各地でもそれぞれの土地の土と釉薬を使って、現在まで作り続けられています。

バーナード・リーチによって直接技法を伝授された湯町窯など、

現在でも伝統を受け継ぎスッリプウェアを作成しています。

民藝として注目された焼物の産地と焼物

東北から沖縄まで各地を訪れた柳宗悦たちに見いだされた焼物は数多くあります。

以下は陶磁器の分野で注目された産地の一部です。

岩手県 小久慈焼

福島県 会津本郷焼

栃木県 益子焼

愛知県 瀬戸焼

島根県 湯町窯

島根県 出西窯

愛媛県 砥部焼

熊本県 小代焼

大分県 小鹿田焼

福岡県 小石原焼

沖縄県 壺屋焼

おわりに

日本だけではなく、海外からの知識や技術までも融合することになった民藝。

現代まで引き継がれ各地の作家によって多様な表現となって発展しています。

各地の焼物については、また別の機会に書けたらと思います。

ありがとうございました。

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