化粧土で装飾されるスリップウェア。
ユニークな模様がとても気になります。
前回に続き、どんなうつわか、どのように作られるのか、調べてみます。
また、全国の作家さんのスリップウェアをご紹介します。
スリップウェアの技法
スリップウェア制作工程について。
技法は1つではないと思いますし、作家さんによっても様々かと思いますが、
基本的な工程をおさえておきたいと思います。

1.タタラを作る
タタラとは、板状にした粘土という意味です。
この板状の粘土を組み合わせたり、曲げたりして平面的なうつわを作ることができます。
2.スリップで装飾する
下地の化粧土の上に色のついた化粧土をスポイトを使って模様を描いていきます。
傾けたり揺らしたりしながら絵柄を調整していきます。

3.成型
模様が崩れない程度に乾燥させ、型を使って成型します。
その後、縁を削り、型から外します。
4.仕上げ
底や縁をきれいに整えて仕上げます。
5.乾燥
6.素焼き
釉薬を掛ける前に素焼きをすることもあります。
7.釉薬をかける
8.本焼き
9.完成
山田洋次 滋賀信楽
ここからは、スリップウェアを作る作家さんのうつわの紹介です。


焼締のスリップウェア。
荒々しい無骨なうつわですが、スリップの模様にオリジナリティを感じます。
どっしり存在感のあるうつわ。
袖師窯 島根


模様、絵柄がカラフルで、パッと目を引く存在感のあるうつわです。
矢羽根模様は色味のバランスが絶妙。
整った雰囲気と、模様や色使いが特徴です。
袖師窯については、別記事でも紹介しています。
斎藤十郎 静岡

太めの線で描かれた直線、曲線がゆるやかで温かみを感じます。
どこか西洋の雰囲気、レトロな印象があります。
飴のようにツヤっとしていますが土の温かみが伝わります。
おわりに

基本的な制作工程と3作家さんのうつわをご紹介しました。
海外のスリップウェアにも興味があるので、今後、イギリスなどに行けるようなったら作家さんや窯元など、開拓していきたいと思っています。
いつか、海外のうつわについても書きたいと思います。
ありがとうございました。
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