私が、本格的に器を集めるようになったきっかけの1つが、スリップウェア。
初めてショップで目にしたとき、温かみのある流れるような模様に圧倒され、一気に虜になりました。
作家さんによっても絵付けはそれぞれ違いますが、個性のある器はどれも魅力的です。
スリップウェアとは
歴史は古く、紀元前から作られていた技法。
泥状の化粧土で表面を装飾した焼物です。
生乾きの素地に化粧土をかけ、さらに道具や指を使って文様を施します。
18~19世紀のイギリスで庶民のための器として発展しましたが、その後衰退。
20世紀に入り日本の民藝運動でバーナード・リーチ、濱田庄司などによって日本に技法が伝えられ、現在でも各地の民窯や作家が個性豊かな作品を残しています。
スリップウェアを作る窯元 湯町窯
1900年代初頭、イギリスのバーナード・リーチが訪れスリップウェアの技を指導した民窯。
島根の玉造温泉にあります。山陰本線玉造温泉駅からすぐです。
住所 島根県松江市玉湯町965
湯町窯の特徴
島根県内で採掘された粘土や釉薬を利用しているそうです。
黄釉は温かみのある山吹色のような色合いが特徴で、お料理が映える器として重宝します。
青の釉薬も目を引きます。
海鼠釉(なまこゆう)という釉薬で、藁の灰が原料となっているそうです。
淡い落ち着いたブルーが印象的です。
豆皿から丸皿、角皿、鉢、碗、ボール、湯呑、フリーカップ、花器、ピッチャーなど温かみのある色合いの器がたくさん見つかります。
ツヤ感のある、ぽってりとしたデザイン。
厚みはある方です。
マグカップや小皿など、3000円以下のアイテムもたくさんあります。
大皿や花器などは数万円という価格帯。
存在感があるので、インテリアや観賞用、ギフトにも良いと思います。
購入したもの
ブラウン(左上)とイエロー(中央下)の丸皿2枚。
ラフに描かれた筆の動きがおしゃれです。
価格帯: それぞれ ¥
※正確な値段は憶えていないため、「1万円=¥¥¥」として表現しています。 (以降同様)
口がすぼんだ花器。
紫のマットな質感に、ブルーの釉薬がきれいに映えています。
どっしりと重く存在感抜群です。
価格帯: ¥¥¥
ブラウン×イエローのスクエア大皿。
流れるような模様がリボンのようにもみえます。
価格帯: ¥¥¥超
珍しいブルーのスリップウェア。
中央からでる煙のような白い模様が特徴です。
価格帯: ¥¥
まとめ・感想
窯主の人柄もとても気さくで、長時間お店にいても丁寧に対応していただきました。
特別に河井寛次郎、濱田庄司、バーナード・リーチの写真や民藝運動によって見いだされた窯元の作品、棟方志功の版画など貴重な品をみせていただきました。
当時の窯主だったお父様と民藝活動家との逸話などもお話してくれました。
民藝の歴史に登場する有名な窯元ですが、立ち寄りやすくウェルカムな雰囲気です。
お値段もお手頃なものも多く、色合いや絵柄のバリエーションが豊富なため本当に迷います。
1アイテムでもあると食器棚が明るくなり、普段の食事がわくわくするような器です。
また行きたいと思っているので、さらにコレクションを追加する予定です!
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